ひとくちに「衣装を科学する」と言っても、どういう切り口で科学すればいいのやら、これがなかなか難しい。何せ宝塚のお芝居のジャンルは、古代から未来まであるのだし（これって、芸名みたい…^^;）、ショーにしても、純レビューと思える物から、アメリカンナイズされたもの、アフリカ的なものまで様々。当然、私たちは「いろんな衣装を着た香寿さん」を目にしているわけだから。

で、個別に衣装を科学する前に、まずは「果たして、ひとつの作品でどの程度着替えているか」を「検証」してみました。

とは言っても、振り返りだすとキリがない上に資料もあまりない。とりあえず、私の知る限りで表にまとめました。

…間違ってたら遠慮なく指摘して下さいね。

この中で目を引くのは、何と言っても『香港夜想曲』の１４着（だったと思う）。とにかくこのときは「ひっかえとっかえ」で、出てくるたびに違う衣装でした。ただ、どれもこれも似たような傾向で、あんまり代わり映えがしなかったのは事実。その中の１着を、現在上演中の『再会』でとうこちゃんが着ているのを見たときは、吹き出しそうになりました(^^;)。

　

逆に「衣装の数なんて問題じゃない」の代表選手が、言わずと知れた『エリザベート』。尤もこのときは、役で登場するのがわずか１５分、あとはフィナーレのみという恐怖の１本立てでしたから、数が少ないのも当たり前。それと「主役なのに少ない」のが『凍てついた明日』。まあこのときは、少ないのはたあたんだけではなかったですが。相手役さんとのバランスを考えた衣装ばかりで、とても印象深かったです。

　

ショーはお芝居よりは多い目ですが、平均して６〜８着くらい、時間にすると１着につき７分程度なんですね。『ノバ・ボサ・ノバ』は、時間が普段よりも２０分くらい長いので、その分衣装も多くなっています。

　

同じ衣装を何度も着ているとか、一目見て「有り物」とわかるとか、何年も見ているといろんなことがありますが、役のイメージを膨らませたり、その人のポジションをさりげなく見せるのも、衣装の役割の一つ。できるかぎり似合うもの、たあたんにふさわしいものを着てくれるようにと、いつも思ってしまいます。